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15年越しの恋が実ったような。




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2013年3月21日木曜日。僕は上野駅から青森に向かう寝台列車「あけぼの」に乗車。念願のあけぼのA寝台シングルデラックスです。

僕は小学生の頃から「ブルートレイン」と呼ばれる寝台列車が大好きで、何度か乗る機会がありました。親に連れられて「みずほ」や「はやぶさ」といったブルートレインに乗ったことを覚えています。

時代が流れて35歳になった今。気づくとブルートレインと呼ばれる寝台の旅客車は「あけぼの」「北斗星」「はまなす」を残して廃止されてました。特に後悔したのが2012年3月のダイヤ改正で消えていった青森~大阪間を結ぶ「日本海」に乗れなかったこと。

「ブルートレインはいつ廃止されるかわからない!」ということに気づくのが遅過ぎました。確かにブルートレインの旅客車は老朽化が進んでおり、またコストもかかることから仕方ないことなのだと思います。

じゃあいつ乗るの!って事で一念発起してまだ乗った事のない「あけぼの」のチケットを勢いで購入。有給休暇と合わせて「あけぼの」一人旅を敢行。

21:00~


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上野駅に到着。僕は駅弁、ビール一缶、おつまみ、ミネラルウォーターを買い込み13番ホームに向かいました。お酒はあまり強くないけど、少し酔わないと楽し過ぎて寝られなくなりそうなので。

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あけぼの入線を待っている人がたくさんいる。乗客はもちろん、明らかな「撮り鉄」と呼ばれる撮影目的の人も多い。僕は撮り鉄ではない(というか乗り鉄ですらない、ブルートレインにしか興味ない)ので何とも言えないけど、写真撮るだけで満足なのだろうか…といささか疑問に思う事もあるが人それぞれなのだろう。

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見知らぬ人に、入線してきた「あけぼの」を背景に写真を撮ってもらいました。シャツがペロッと出るほど浮かれている自分が恥ずかしい。実家に残ってる小学生の頃のブルートレインと一緒に撮った写真とほぼ同じ顔をしている。どれだけ童心に返ってるのだろうか。

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濃紺のボディにゴールドのラインが美しい。会社から帰る時の駅のホームで、ふと通り過ぎるブルートレインを見た事はないですか?見た事ある人はわかると思うんですが、車両の外観から漂う「特別な雰囲気」はブルートレインならでは。最新の特急や近年の寝台列車はだいたい白地やクリーム色のボディが多く(JR九州除く)、「濃い色の旅客車」といえばお召し列車かブルートレインくらいしか無いので目立つと僕は個人的に思っています。

21:16~


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青森に向かってゆっくりと動き始めるあけぼの。ずっと上野駅13番ホームで写真を撮っており危うく乗り遅れそうになったので急いで乗車しました。そのくせ一番前の機関車EF64を撮り損なうという致命的なミスを冒した事に気づきやや萎えながらも旅が始まりました。一人旅なんて何年ぶりか覚えてないレベルです。ワクワクが止まらない。

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今回「A寝台シングルデラックス」という個室を取りました。完全に贅沢です。何せチケットは寝台料金13000円、特急券3500円の合計16500円+都内~青森までの乗車券ですからね!家庭から椅子が飛んでくるレベル。そこまで贅沢させてもらってるのだから満喫しないともったいない。寝てなんていられません。

21:40~


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大宮駅到着。出たあとさすがに落ち着きたくなってきたので、個室ならではの備え付けである「JR浴衣」に着替えました。B寝台だと狭くて着替えるのも大変そうですがここはホテルのスイートルームに等しい。楽々着替えられます。

22:40~


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高崎駅に到着。ここから上越線に入っていきます。上越への玄関口のようなものでしょうか。本当は少し立ち寄りたいんだけど停車時間が4分くらいしかないのでやらない方が身のため。高崎駅を過ぎると運転停車(乗客の乗り降りはできない)以外の停車はしばらくありません。何があっても車内に居続ける幸せな数時間が始まります。

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高崎駅を過ぎてビールとおつまみ開封。車窓を眺めながら飲むビールは本当においしい。個室だからどんな格好してもいい。個室はタバコも吸えるようなので喫煙者はもっと楽しめるのかも。普段はそんなダラダラした幸せなゆったり流れる時間はなかなか味わうことができない。ぜひ一度やってみてほしいです。病みつきになりますよ。

23:42~


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水上駅に到着。ここでは運転士が交代するためだけに停車するようです。大学生のとき、授業さぼって友人と遊んでて突然「どっかいかね?」といっていきなり電車に乗り込んで何の目的もなしに水上に来た事をふと思い出した。バカだった。今もバカなのかもしれない。

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あけぼののエンブレムが入った特製ポーチには歯ブラシなどが入っている。これお持ち帰りできるそうで、本当に乗ってよかったた思わせてくれる逸品。食事が済み歯を磨きたくなってきたんだけど、実はこれが蛇口。

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これを…。

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下げると実に古めかしくも、狭い部屋にうまく組み込まれた洗面台が出てきます。この辺は匠の技を感じますね。国鉄時代から続く郷愁を感じる作り。

そんなこんなで「あけぼの」は日付をまたぎながら上越線を走り抜けていきます。

01:06~


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長岡駅に到着。約40分程止まるのだが、ここも運転停車駅なので降りる事はできない。長岡駅では機関車の交換をするためこれだけ時間がかかるらしい。EF64系からEF81系に交換。僕は鉄では無いので細かい事は全く知らないですがやっぱり牽引機関車といえば64系のカラーリングを激しく支持したいところです。ザ・機関車。81系は色をもう少し考えた方がいい。

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A寝台個室のある7号者廊下。大人が一人通れるスペースしかない。それだけ個室部屋に割いているということか。それでも狭いけどね。ちなみに個室は11号分ある。金曜日出発や繁忙期はたいてい瞬殺でまずチケットが取れないらしい。僕は木曜日にうまく取れたのが良かった。

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外に出るときはこのキーロック。番号を忘れると大変な事になるので確実に。とは言っても外に出る用事なんてトイレ以外まずないので忘れようがないか。サンライズはシャワー室とかあるけどあけぼのにはそんな軟弱な施設は一切なし。

GoogleMAPを立ち上げてみよう


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あけぼのA寝台に乗ってスマホを持っている人は、ぜひGoogleMAPを立ち上げっぱなしにすることをオススメします。A寝台はコンセントがあるので充電しておけば立ち上げっぱなしにしても問題ない。GPSで現在地が常にわかるので、真夜中でもだいたい今どこを走っているのかわかる。ただの移動手段なら到着時刻のみわかればいいわけですが、あけぼのA寝台に乗るという酔狂な趣味を持っている人はこの面白さ伝わるのではないでしょうか。

僕は新潟までは何度か訪れたこともあるのだが、山形県や秋田県は今回初めて。GoogleMAPを立ち上げておいたことで「今日本海沿い走ってる」とか「あれが鳥海山か」「うおお八郎潟きたあああ!」などいちいちテンションがあがるキッカケをくれました。

03:18~


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村上駅に到着。いよいよ運転停止ではなく通常の停車が今後続いて行きます。僕は今回の旅が本当に久々の寝台列車であったこともありテンションが高まってしまいまったく寝られませんでした。が、翌日以降の寝不足が著しいものに。せめて「外が暗い時間帯」くらいは寝た方がいいでしょう。僕は村上駅以降、まったく寝られない状態がけっこう続いてしまいました。外が次第に明るくなってきていよいよテンション上がってしまうからかな…。

気づくと羽越本線に入ったあけぼの。3月下旬。東京は春が訪れてますがこの付近はまだまだ雪が積もってます。

05:13~


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遊佐駅を過ぎたあたりから素敵な景色が車窓に広がります。それは鳥海山。朝焼けとともに見えてくる名峰は本当に美しい。下りのA寝台に乗っていると日本海は逆なので見えません。しかし庄内平野と鳥海山を見てるだけでも僕は満足ですね。しかしさすがにちょっと眠くなってきました…。この辺はあまり記憶がありません。

08:32~


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そしてあけぼのは奥羽本線に入っていきます。僕は上野駅で駅弁、おつまみ、おにぎり一つ、ビール、ミネラルウォーターを持って行ったにも関わらず朝方には完全にお腹がすいてました。そこで助かったのが大館駅で購入できる「花善」のお弁当。

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これは前日までに予約しておくと、店員さんが大館駅に持ってきてくれます。僕はお茶と一緒に頼んでおいて大正解でした。温かい飲み物が飲めるのも助かりましたね。鶏肉の味が染みたおいしい駅弁、機会があれば頼んで損はないです。※下りのみのサービスだそうです。

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もうベッドはいりません。あけぼのA寝台のベッドはあっという間に豪華なソファに変えられます。確かに至るところで老朽化が目立ちますが、それこそアンティークに近いものを感じることができるのもブルートレインの魅力。

09:14~


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09:56青森駅までいく予定だったのですが、弘前駅に到着する直前に、僕は突然「弘前城が見たい!」と思ってしまい勢いで下車してしまいました。突然のあけぼの下車。まあ一人旅だからできる思いつきの行動です。

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上野駅で記念撮影ができなかった機関車を一応撮りに。うーん…やっぱりEF64がいい…でもエンブレムはかっこいい…などと頭の中でうだうだ思っていました。何はともあれ、こんな遠いところまで僕を連れてきてくれてありがとうございました。

まとめ1:寝台列車の旅は高くない!


上野駅で撮影した「あけぼの」の写真をFacebookにアップしたところたくさんのイイネをもらいました。多くの人が「寝台列車って何か良さそう…でも高いよな…」と思ってる人が大半だと思います。でもはっきり言います。実は寝台列車ってまっっっったく高くないんです!

僕は今回の旅、木曜の仕事が終わった後に上野駅から出発し、朝の10時にはもう弘前で観光を始めてました。もし同じ予定で寝台列車を使わないとなると、例えば仕事が終わった後に青森空港までの最終便でバタバタしながら乗り込んで、夜間に着いた後寒さに震えながらどこかのホテルで一泊余計にすることになります。

時間的な余裕+一泊分の宿泊代は交通費に含まれる、というこの点だけでも寝台列車には大きなアドバンテージがあります。特に北斗星やカシオペアといった人気寝台列車は各旅行代理店が寝台列車対応のメニューを作ってます。今度国内旅行をする時、もしよかったら一度検討してみてもいいかもですね。

まとめ2:ニワカにはなりたくない


いつかあけぼのも廃止になる日がきます。その時になってチケット争奪戦に参加することほど恥ずかしいものはありません。いつも思いますが、列車のラストランイベントに群がる連中の90%はニワカだと思ってます。そうならないように、乗れる時に乗っておく。これこそが寝台列車愛好家としての正しい態度だと思っています。

というわけで僕の東北一人旅は続いてるのですがそれはまた別のエントリーで。



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