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短命ど真ん中ポップエモ、THE IVORY COAST『Clouds』(2001)

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1枚のアルバム、5年で解散。短命だからこそ光っていたのだろう、シンプルで儚いインディーポップ・エモサウンド。

ハイライトは5曲め「Sixty five percent」だ。よく聴いてほしい。そこにはまるで僕が敬愛する2大ギタリスト、吉村秀樹やダグ・マーシュ(ビルト・トゥ・スピル)と同じギターの匂いがする。前半の静かな指弾きからの後半の爆音弾幕フレーズに心を打ち抜かれた人はたぶん多い。

そして、か細くしかし熱く歌い上げるボーカルがそのギターに見事にマッチ名盤「Clouds」。

 


※クリックするとApple Musicで聴けます
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“統一感のなさ”もまた良し

ボストン出身のTHE IVORY COAST。Poryvinalレーベルから作品を出し、1998年〜2003年のエモ隆盛期に活躍したバンドということで普通に考えたらドエモ一直線サウンドを期待してしまうだろう。しかし、サウンド的には凡百のエモバンドとは異なり、暑苦しさのないグッドメロディーなインディーポップ的アプローチをとっていたのが面白い。

3曲めの『Swope』におけるドラムやサウンドはノリノリのソニックユースみたいだし、7曲め『To My Brilliant Wigmaker』も完全な爆音オルタナ疾走感が炸裂している。

ただ作品全体を通すと、やはりしっとりとした静かな曲群が際立って素晴らしい出来になっている。まるでインディーポップバンドがエモのエッセンスを取り入れたような曲が多くて多彩な音になってる。ある意味では統一感のない音とも言えるし、だからこそ商業的な成功は無かったのかもしれない。

8曲め『Daily Routind』(なんだこの曲名w)なんかもはやトクマルシューゴ的なおもちゃ箱的なインディーポップ。最近のPoryvinalはこういう音のバンドもよくリリースしてるけど、もしかしたらTHE IVORY COASTがきっかけになってるのかもしれないね。

悠々自適な生活を送るJay Cox

ボーカルギターのJay CoxはTHE IVORY COAST解散後、The Sea Navyというバンドを結成し、今ではシアトルで奥さんと静かに暮らしてるらしい。インタビュー読んだけど、なんかシアトルマリナーズとソニックスが好きだとか、地下鉄が充実してるとかわけのわからないこと言ってました。

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CHS Interviews: Jay Cox of The Sea Navy and, yes, Capitol Hill
Jay Cox is a CHS neighbor and frontman for The Sea Navy, a local band with furiously catchy pop tunes. According to facebook, the curious monicker comes from a time when Jay was trying to tell a story about the Coast Guard, but CHS …



あとソロでまったりと曲も出してるらしい。謎のクリスマス・ソング。何だよこのジャケットwこういう余生の暮らし方も悪く無いですね。