I'm Swayin' in the Air

旅と音楽とフジロックとブラジリアン柔術

悲しみのエレベーター

日本という国、そして東京という都心で生活している以上「エレベーターに乗る」という動作を避けることはとても難しい。3階建て以上の物件にはだいたいエレベーターが設置されているのではないか。乗らない日などほとんどない。そして私はエレベーターという乗り物がとても嫌いなのである。エレベーターの無い国に生まれたかった。
 
 
 
帰宅の途につく私。要領の悪さにおいては右に出るものがいないこともあり仕事の帰りはいつも遅い。今日も深夜の要町駅に着いた。38歳の0時なんて、帰宅して即寝るだけだ。そんなことを考えながら改札までのエレベーターに乗車。
 
乗ってから気づいてしまったのである。狭いエレベーターに4人乗ってるけど、僕以外は女子大生風とOL風の若い女性しかいない。こんな疲弊しきった清潔感のないおっさんと乗り合わせなければいけないこの女性たちの気持ち。君はおもんぱかることができるだろうか。僕は申し訳なさで一杯だ。つらい。
 
おそらくOL風のその女性は新卒1年目だろう。毎晩のように上司に怒られてるのだ。「は?こんなんマクロ組めば1発だろ?わかんないならググれよ」みたいなことを言う鬼上司に違いない。彼女は「むかつくから早く帰って金麦飲みながらお願いランキング観て寝よ💢」とイライラマックスむらい状態になりながら駅に着いた。そんな時に僕のようなおっさんとエレベーターに乗り合わせる不幸。おそらく彼女は意識朦朧としながらコンビニで金麦に加えてスミノフも追加購入しただろう。嗚呼申し訳ない。この世にエレベーターがあるのがいけないんだ。エレベーターさえなければ僕と君は永遠に出会わなかった。
 
だいたいにおいて地下鉄のエレベーターってなぜあんなにもスピードが遅いのか。乗降速度だけじゃなく、扉の開け閉めも遅い。乗り合わせてから扉が開くまでの約20秒は永遠に感じた。はやく、はやくおれをここから出してくれ。多分彼女もはやく出してくれ、と思っていたであろう。沈黙で永遠の20秒。
 
 
 
それから僕は「お先にどうぞ」みたいに開ボタンをずっと押している人がどうにも理解できない。いいから前の方から早く降りろよ。それがジェントルマンだからとかそんなことはどうでもよいのである。その行動に意味はあるのかと僕は問いたいのだ。
 
最近のエレベーターのほとんどは優れたセンサーがついており、人感したら自動的に開くのではないだろうか。「どごーん!」と挟まれるようなことなど築20年以上経過しのマンションのエレベーターでやっと経験できるレベルだ。少なくとも渋谷ヒカリエは大丈夫なはずである。
 
なのにあとを絶たないお先にどうぞ奴。しかもだいたいイケメンだったり好感度高そうな男ばっかりである。そう、そんなこと考える僕が矮小な男なのだ。完全なる敗北。そんな敗北を感じるくらいならエレベーターなんか乗りたくなかったんだ。
 
 
 
そして僕は「明らかに扉が閉まりかけてるのに無理やり乗るボタン開けて飛び乗ってくる奴」が一番嫌いだ。いやもう閉まってんじゃん。次のエレベーターにしろよ。こっちは散々動くの待ってんだよ、といつも心の中で考えてしまう。ひどい奴になると身体を入れてきて無理やり扉をこじ開ける奴すら東京にはいる。なんだ?そのエレベーターに乗って得した1分でおまえの人生は何か好転するのか?既に乗っていた人はお前の1分のせいでみんな等しく損をしてるんだぞ?とつい考えてしまうのだ。
 
そしてすぐに自分の小ささをまた痛感する。つらすぎる。飛び乗り君は優秀なので1分すら惜しいほどの貴重な人材なのだろう。僕なんか何なら2本くらいエレベーターを飛ばしても会社の業績は揺らがない。いやむしろ、なんならあの「小汚いおっさん」がフロアにいない分まわりの社員の士気も高まり業績は好転するかもしれない。つらすぎる。
 
 
そんなことを考えさせられてしまうから僕はエレベーターが嫌いなんだ。早く滅んで新しい輸送手段よ登場してくれ!
 
 
 
そんなことを考えて30代後半を生きてます。