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生きてて楽しい

Mikal Croninというアメリカンポップスの奇跡。最新作「MCIII」で先輩ARCADE FIREを超えていけ

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MERGE RECORDのシンガーソングライター・Mikal Croninの最新作「MCIII」が今月リリース。偉大なるUSギターポップのエッセンスを昇華した美しい作品に仕上がっている。もう、インディ臭さなんか1mmも残っていない完全に「売れ筋」アルバムだろう。それが最高だ。このまま一気にスターダムを駆け上がって欲しい。


premavera sound2015 day1で観てくるぜ!mineralと被るという地獄の諸行を課されるわけだけどmineralは2月に観たからいい!がまんする!!

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Review

1曲目「turn around」に広がる美しいパワーポップとストリングスの融合に衝撃を受けるだろう。ファーストの頃に漂っていたローファイ風味のインディ臭は完全に抜けた。美しい。



なお、KEXPのライブ、通常のバンドセットでストリングスは無い動画がアップされていた。それがまた曲の良さを引き出している。あと歌声をよく聴いてくれ。サビの伸びやかな声に心を震わせてもおかしくはない。



続く「made my mind up」は、もはやfountains of wayneと思うほどのメロディや曲の構成。特にヴァースやブリッジなど至る所で考えぬいて作られている。
 

この曲もKEXPでの演奏がアップされているが、やはりこの男の伸びやかな歌声は何度聴いてもライブ映えする。


そして3曲めの「Say」が前半のピークだ。サビに張り巡らされるホーンのサウンドは確実に暑い夏の巨大な野外ステージで感動を呼び起こすだろう。もしコーチェラやフジの広大なステージでこの曲が流れたら事件レベルの伝説になりそうだ。それほどに素晴らしい。
 

個人的には6曲めの「alone」をとても気に入ってる。バッドリードロウンボーイを想起させるホルンのような管楽器の響きが美しいメランコリックな曲だ。後半の盛り上げ方も汎用さを感じさせない。

そして「Gold」に至ってはもはやRIDEか?と勘違いするほどのギターのFeedbackメロディがいたるところで鳴らされてこの人の真の魅力であるサイケデリアとポップスの融合を見せている。
 



Playback

ところで。1st〜2nd、そしてこの作品を続けて聴いてると、僕が大学1年生の時に学校で出会ったYを思い出してしまった。法学部で出会った彼女は山形から初めて都会にきたのが大学入学という子だった。憲法の授業。前に座っていた背の高いその子はいきなり僕に向かって振り返り「すいません!六法を見せてください!」と東北弁訛りで話しかけてきた。

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僕は不真面目な学生だったので「ポケット六法」という実に薄っぺらい、普通一年生の前期でも使わないようなものしか持っていなかったのだが、彼女はまるで司法試験受験生が持っていそうな分厚い六法を持っていた。
 
先生が参照せよ、といった条文がないという。そんなわけは無いだろう、と僕は思ったがそんなチャーミングな彼女を面白いと思ったのでポケット六法を見せてあげた。彼女は嬉しそうに微笑んで満足そうにしていた。
 
授業が終わり、そのまま仲良くなった僕たちは学食でランチをともに食べた。訛りを隠そうとしてる姿は微笑ましくもあり。そして、友だちもまだあまりできていないと寂しそうに話す彼女は憂いを帯びつつも秘めた美しい顔していた。僕が心奪われるのにあまり時間はかからなかった。
 
大学も3年になると皆それぞれの人生がある。割と人数の多い大学で1年の頃仲良くても疎遠になり会わないということはザラだ。僕はほとんど大学にいってなかったのだが珍しく大学にきて喫煙所でタバコを吸っていた秋の昼。一年生のあの時の、少し若く青い数度の触れ合いから疎遠になっていた彼女に会った。
 
「あ、久しぶり!元気?大学ちゃんときてんの?」
 
そう屈託なく笑う彼女はとても洗練されていて、話し方もすっかり東京の話し方になっていた。とても美しかった。その美しさは、元来持っていたピュアな雰囲気と洗練さの出会いだったのだろう。学内でも有数の美しさかもしれない。僕たちは少し話してお互い別の教室に向かった。それから彼女には一度も会うことはなかった。彼女は今、元気にしてるだろうか。
 
 
 
そんなことを思い出してしまった。ほとんど何の関係も無い。そんなことわかってる書きたかっただけだ。それほどにこのアルバムは洗練され、完成された出来となっているんだ。

Expectation

「売れ線にインディ魂を売った」と思う君の気持ちもわかる。でもそれは、奇しくもレーベルメイトであるarcade fireと同じ道のりを歩んでいるのではないだろうか。USインディアルバムの歴史的名作「funeral」があってこそのグラミー賞。Mical Croninもまた同じ道を歩むかもしれない。「昔が良かった」と物足りなさ感じてるようなオタクはピッチフォークの満点作品だけ聞いて満足してウンコして寝てろ。
 
日本よ、早く彼を見つけろ。


 

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MCIII
Mikal Cronin
Hostess Entertainment
2015-05-05



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