I'm Swayin in the Air

起業4年目

バカ3人組、白馬岳に登る

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「目の前の山に登りたまえ。山は君の全ての疑問に答えてくれるだろう」
(ラインホルト=メスナー)


人類初の8000m級全14峰完全登頂した伝説の登山家メスナーの名言だ。そう、すべての登山家にとって「山に登る」ということはそれ自体が「解を導く」という行為なのである。崇高な行為ではないか。

僕らはいつも3人のパーティで山に登っている。僕らのような普通の人間だって常に人生の疑問を抱えながら生きており、いつも山に登って答えを問うているんだ。簡単だが僕らの悩みを一部を紹介しよう。たぶん山は答えを教えてくれる。

デリヘル呼んで10回以上チェンジしたことあるけど何回チェンジしたらヤクザがくるのかな。

 

大学でいつも便所飯だけど山に登ればみんな友達だよね…。というか友達って何なんだろうね…。ちょっとKDさん!僕の大学の後輩女子のフォロワーにリプ送らないでください大事なフォロワーなんです!!

 

フジロック好きな同僚がみんなでフジ前に事前に予行演習BBQしたらしいけど、そんな会あったことすら知らないし、知ったきっかけが「そういえばKDさんあのBBQいませんでしたね!」って言われたからなんだよねどういうことかな(°∀°)アハハハハハハハ!



いかがだろうか。僕らが人類の深淵なる謎に迫るべく山にアタックしている様が伝わっただろうか。そんな僕ら通称「クソオセラーズ登山部」今回の標的は、白馬だ。
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メンバー


僕らは元々オセロプレイヤーの集まりだ。しかし人にはそれぞれの人生がある。気づくと全員オセロへの情熱を無くしていた。結局人は山に帰っていくのだ。意味がわからない。どうでもいいが今後頻繁に登場するであろうバカどもそれぞれのプロフィールを簡単ではあるが紹介する。

くら
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現在の身分は不明。ヤクザの風体だがおそらく独立して経営者、だった気がする。メンバーの中で登山経験はもっとも豊富。今回も、前日に日帰りで駒ヶ岳の無茶苦茶なルートにアタックしてからそのまま白馬入りというマジキチ登山野郎と化している。

じゃんぷ
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その辺にいる普通の大学生。昨年富士山に登った時は顔面蒼白になりながら8合目で「勇気ある撤退します」とか言って下山を選択したにも関わらず今年は余裕の発言が相次ぐ。

「腹筋鍛えてるから大丈夫や!」

「毎日田んぼだらけの通学路走ってるからいけるわ!」

「むしろ心配なのは初老のk出さんと前日も登ってるくらだよ!置いていくからな!!!」


と完全にモブキャラのような発言をしており心配はむしろ加速している。実は現オセロ世界チャンピオン。誰も知らねーよそんなこと。




k出
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メンバーの長老扱いを受けてるがまだ若いつもりだ。毎年登りは3人の中で最も早く登ることにすべてを賭けている人生。しかし下りは、加齢による筋肉の弱体化のせいか超絶苦手。毎年下山後は仔鹿状態で4日間くらいつらい。

猿倉


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猿倉からアタック開始。出発時に登山届けを提出している我々ご一行。

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出発時の計画では猿倉~白馬大雪渓~葱平~お花畑~村営頂上宿舎まで登って一泊。早朝に白馬鑓温泉におりていき温泉に入ってその日のうちに猿倉に帰ってくる、という一泊二日ルートを登山届にて提出。

しかし、道中で誰に聞いても「いやそれ無理だろ」と止められ、宿舎のレスキューの人にも「相当なベテランじゃないと不可能ですね」と言われていかに自分たちの脚力を勘違いしているのか理解できた。結果的には翌日ピストンで同じルートを下っていくことになった。温泉はまた今度…。

ちなみに猿倉にいる時点でソフトバンクの電波はつながらなくなっていた。結局ソフトバンクの端末は二日間ほぼ一度も繋がらず。IT企業で働くスマホ中毒の僕は死んでしまうかと思った。世間では「スマホ中毒者はデジタルデトックス推奨」とか言われたりすることもあるが僕はそんなものに興味ゼロなのでソフトバンクさんはいい加減主要な山での電波環境を改善して頂きたい。

白馬尻小屋に到着


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猿倉から約2時間ほどで大雪渓入り口の白馬尻小屋に到着。

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まだまだ余裕〜。

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すでにキツそうww勝負はこれからだぞじゃんぷ。

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ここまではまだ余裕だったんだよ…。

白馬大雪渓


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日本三大雪渓の一つ、白馬大雪渓。聞くところによると今年は「100年に一度しかおきない」という「クレバスが横になる」事態になってたらしく、なんと雪渓序盤で横に迂回しなければ通れない事態に。アイゼンつけて岩ゴツゴツの横道を歩くのはかなりしんどく一気に体力を奪われた。白馬尻小屋でビール飲まなくてほんとよかった…。

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横クレバスを抜けるとあとはひたすら雪渓を登っていく。傾斜は緩やかだが、やはり足を雪にとられてまったくもって不快。夏の雪景色を楽しもうと思っていたが疲れるだけで何も楽しめない。あげく、横の斜面から「ぱらぱらぱら…」と落石が続いてるのがわかりほんとちびるかと思った。「童貞のまま死にたくない!」と叫びそうになった。

葱平


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大雪渓を3時間ほどで抜けるといよいよ本格的な登山に。「ねぶかっぴら」と読むらしい。ネーミングはかわいい響きだが斜面は容赦無い厳しさだ。

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普通に怖い。

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山の中に川が流れてるなんだこりゃ。くらは余裕で登山恒例の落合バッティングフォーム写真。しかしまあ、北アルプスの天然水だが足とられたら終わるぞこれ。流されてクレバス奥まで入り込んじゃって…とか想像してたら股間縮み上がった。

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途中けが人がいてレスキューヘリが来てた。レスキューの人に話聞いたら

「ヘリ一回300万円です」

と聞いてさらに股間が縮み上がった。山岳保険一切入らず山に登ってる自分たちは本当に頭おかしいと思った。保険入ります…。

お花畑


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葱平抜けてもうへとへとである。下山してくる人に「あとどれくらいっすか?」と聞いたら「あと1時間でつくわよ!もうすぐお花畑!高山植物が綺麗よ〜」などと言ってくる人がいたので、「お花畑」というのはハイジがきゃっきゃ飛び跳ねてるようは平地の高原かと思ってた。そんな平地は一箇所もなかった。もう「お花崖」とかいう名前に変えたほうがいい。

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余裕を見せているが言葉はない。

村営頂上宿舎


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そしてついに目的地へ。誰だ猿倉〜頂上宿舎まで5時間で到着するとか言った奴は。結局午前6時にアタック開始して全員到着が15時。9時間かかってるじゃないか。

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特にひどいのがくら。白馬大雪渓通過後はとにかく遅い。よく考えたら前日午前2時起床で木曽駒ヶ岳に登っており、そのまま寝ないで白馬岳にアタック。まともに登れるわけないのである。毎回さっさと登ってくるはずが今回ダントツの最下位。本人曰く

「歩きながら寝てたwwww追い抜かれた人達に寝るなよ!って言われてたわww」

当たり前だ。死ぬぞ。

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じゃんぷだっていい気なものである。過去数回の富士山登頂時は毎回ダントツの最下位どころか「勇気ある選択」とか言いながら途中撤退するほどへなちょこだったわけだが、今回はさすがに撤退はない。ない、というか大雪渓が午後2時以降立入禁止になるので戻る場所ないのである。なので仕方ないから覚悟して登ってるのだが、後ろから

「K出さん気合い入れろよ!置いてくぞ!」
「闘志なきものは去れ!」

とかずっと言ってくる。後ろからこんなこと言われたのは初めてだ。

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しかもこんな格好で。そしてくらを待つ間

「人を待つってこんなに暇なのか…」

などと今までの自分のだらしなさを痛感しているじゃんぷ。そうだよやっとわかったか。彼は白馬岳に登りながら大人の階段も少しずつ登っているのだ。

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道中で仲良くなった世田谷在住のお姉様たちと記念撮影。じゃんぷのことを「オセロ世界チャンピオンっすよ!」と伝えたら検索したらしく僕のオセロブログにお姉様からコメント書き込みがwwお菓子とかくれてありがとうございました!

宿舎内は予想以上に快適


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宿舎内は予想していたよりとても綺麗で快適だった。てっきり僕の学生時代、スキー部でよく泊まったくっそ汚ねえ大学専用山小屋みたいなイメージだったので疲れた身体には望外の喜び。

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部屋に入って4秒で睡眠。

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くらの足が壮絶に臭い。公害レベルだ。二日連続風呂に入らず登山してれば当然だ。

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夕食。安堵の表情を浮かべるご一行。山の上でこんなものが食べられるなんて幸せ過ぎる。

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豚肉が美味しかった。

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食後の一服。

毎回僕が持ってくるストーブは重宝される。最初このメンバーで富士山登った時は「何でそんなも持ってるのww」と笑われたものだが8合目にはもう「k出さん…お湯沸かしてくれ!ラーメンうまいよおおおお!」と泣いていた。

今年もうまい。インスタントコーヒーも山頂補正がかかってうま過ぎた。まったりしながら明日の行程を語り合ったのだが、結局来た道を戻ることにした。何か萎える。翌朝もものすごいガスで日の出すら見られなかった。何しにきたのかよくわからなくなってきたが登山とはそういうものなのだろう。

そして20時には全員寝た。子供か。

下山開始


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朝の5時に起き、朝食をとって7時に下山開始。ちなみに山小屋で朝の5時起床は遅過ぎる。みんな4時とかには出発しててワロタ。4時とか外真っ暗なんですがそれは。

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おいおいシガーロスのPVか。

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iPhoneのカメラなのにこんな写真が撮れる!これはバズる!おれもiPhone写真家になってスタディギフトで金稼ぐわ!

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じゃんぷが遅いから2人で撮った。そしたら上から「おれも混ぜてよ!!!」って走ってきたのが冒頭の写真。走れるならもっと頑張れや。

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大雪渓に到着し休憩。ここで伝家の宝刀カップラーメンの時間だあああ!

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このアングルそそるwww日清食品さん宣伝ばっちりしときましたwww

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うま過ぎwww

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山ならカップヌードル一択。





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そして雪渓を下る我々。2人とも楽勝とか言ってるが僕は本当につらかった。もう太ももが悲鳴あげてる。歳取りたくないな!!

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そして山頂から3時間。汗だくになりながらついに白馬尻小屋に到着しビール投入!くっそうめえええええ!人生でこんな美味しいビールは飲んだことない。泣きたくなるほど美味しかった。

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ひとしきりビール休憩したあとは猿倉まで約1時間かけてゆっくり歩く。もうそれほどキツくない。そして…

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猿倉到着からのかき氷の時間だあああ!

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うめえええ!

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おれも練乳かければ良かった!

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またこの顔。




山は下りだ!


というわけで今回のアタックも無事生きて帰ってくることができた。富士山しか行ったことない我々には新鮮だった。富士山より楽しいわこの山。富士山はツライだけだ。

しかし個人的には下りが本当につらかった。登りは心肺機能、下りは脚力が要求されるわけだが、心肺機能についてはまだまだ大丈夫な僕も脚力は確実に毎年衰えてきている。これは鍛えまくる良い動機となった。

まあそれを差し引いても楽しかった!今度は3泊4日くらいで稜線延々と下ってみたい。

そんなわけでまた!