とんでもないものを観てしまった。本編ずっと完璧な歌を聞かせていたJustinのラスト「skiny love」。信じられないほど壮絶なシャウトとエモーショナルに上ずる声に、ちょっと恐怖を感じるほどの圧倒的なお一人様舞台である。
2016年2月29日。全ての日本人待望のbon iver来日公演は美意識に基づく音のアーキテクトと、2時間かけて作り上げたそれらを全力で壊しにかかるサディスティックなステージだった。完全に「ただのハゲじゃねえ…」とおののく僕は手を上げて喜んでいた。いやー、さいっこーのステージだった!
開演。ついにbon iverを観るぞおおお!と思ったけど、どっかのバカがペンライトかざしてたのがJustin気に障ったのかまた客電つくハプニング。そーゆーのやめろ。すぐ機嫌なおしてくれて一曲目急病人の方がいたらしく客電またついて落ち着いてから開始(Susieさんご指摘ありがとうございます!)。「Perth」だ。爆発やばすぎる。ほら、ときどきライブ観てて
「うわわあああああ……えへへ…😇😇😇」
みたいな昇天する瞬間って時々あるけどさ、観客全員最初からあの状態に持って行こうっていう作戦かなbonちゃん。うん、昇天したわ。
想定をはるかに超える轟音なんだけど、全ての楽器のサウンドバランスや粒が完璧に揃ってるので不快さゼロ。
最近僕が観ているライブってわりとルーズさが魅力的なものが多いんだけど、bon iverのライブはそういったルーズさを一切許さない、Justinの思想にもとづく完璧主義的な演奏がずっと繰り広げられる。メンバーもここまで完璧なもの要求されたら怖いだろ。
「こりゃ気軽に遠征ツアーとかできねえわ…」
と思わざるをえない。まずJustin自身の歌がうますぎる。とくに圧巻だったのが、自分の歌声にループエフェクトとオクターバーをかませてボーカルだけで歌い上げる「woods」はヤバかった。何か未知の生物産まれてくるじゃないかと思ったよね。
それからすごくかわいい3人組の女の子のバックボーカルがよくぞ見つけてきたなったくらい完璧にマッチしてた。それと楽器隊もね、一切のミスが許されない。後半の「Calgary」はそういったすべてパーフェクトな要素がもりもりに盛られてて圧倒されたわ。完全なるアート。
ところが。
最初に書いたけど、丁寧に構築してきたアートをJustinくんはラストにぶっ壊すんですよ。「skiny love」の絶唱、そしてアンコール「wolves」での英語で歌わせるシーンね。「ごめんよ英語しか話せないんでゴメンナサイゴメンナサイ」と言いながら観客に歌わせるんだけど、とにかく歌え、英語わかんなかったら騒げ、と。曲の終盤のドラムがバッキバキに叩きまくって曲を完全にぶっ壊して終わるという美意識と絶望が入り混じる極限のステージ。ほんととんでもないもんを観てしまった。
3/2大阪もチケット残ってるみたいなのでみんな当日券買った方がいいよ。
なおマーチャンダイズはこのデザインのTシャツのみ(白と黒)。良かったな、売り切れないだろうよ。「Tシャツ屋さん」使えばおれでも作れそうだ。
アジアツアー行ってたんだね。ハードスケジュールだなこれ。このシャツ着心地は良い。最近よくあるペラッペラなシャツじゃないのでそれなりに満足でした。
ってわけでbon iverが完璧すぎてやばすぎました。