I'm Swayin in the Air

起業4年目

すべてのパッとしないバンドマンへ。君たちが売れない理由は明確だ

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日本の「いわゆるインディーズミュージック」を聴くようになって約15年が経過しました。自分でもバンドやってたし、色々なバンドを観てきたんだけど、ようやく最近になって「アマチュアレベル」と「のし上がっていく人たち」の違いがわかってきたような気がする。メモとして書いておきます。 ====

歌がヘタ


バンドがブレイクしない、客が増えない、デビューできない最大の理由は「歌がヘタもしくは歌唱方法に独自性がない」だと思う。

どんなにテクニカルですごいギタリストやベーシストやドラムがいたとしても、ボーカルが「冴えない」とすべて台無し。そういうバンドは結局「自己満足のアマチュア」なのだ。ボーカルが冴えないバンドは今すぐ解散するか別のボーカルを入れよう。

僕がやってたバンドもそうだった。下北沢ERAで初めてライブやった時のことは忘れられない。スタッフさんが総評してくれるんだけど「歌がいまいちですねえ」とズバッと言われた。僕はヘタなりに歌も頑張ってたので正直「こいつ何言ってんだ。何にもわかってねー。くそが!」と心の中で思ったわけです。

しかし、僕らのバンドはすぐ解散し、下北沢ERAは今も元気にライブハウスを経営してる。そういうことだ。vo.の歌がヘタなバンドは何をやってもダメ。

ちなみに「歌がうまい」というのは「譜面通りに正確に歌える」とかではない。例えば僕が好きなバンドであるbloodthirsty butchersやcuthbarts、あぶらだこ。ボーカルが上手いとは決して言えない。しかし、オリジナリティに溢れてる。voの代わりがきかないのだ。決してメインストリームには出てこないけど、特定クラスタでは圧倒的な尊敬の眼差しで見られている。君たちのバンドとは違う。オリジナリティがあり、誰かの心を揺さぶることができるボーカリストは稀少だから大切にした方がいい。






メロディラインが雑


もう一つ歌に関して言うと「メロディの作り方が雑」なバンド。これも聞くに耐えない。レガシーな3コードとか使ってもいいけど、そこにいわゆる「手なりで作ったようなメロディ」「家でギター弾いてて口ずさんでるウチに作られたようなひねりのないメロディ」を延々聞かされることほど観客にとってつらいものはない。

とにかくメロディには徹底的にこだわった方がいい。楽曲の価値を最終的に決めるのは主旋律だ。その主旋律をより美しくするために演奏がある。売れないアマチュアバンドの大半は楽器優先で作っててメロディおまけみたいなこと無いですか?

スタジオで新曲を作ってるとき、ボーカルが安易なメロディラインを持ってきたら周りはきちんと否定してあげよう。「おまえそのメロディ、本気で作ってんの?」と。それでケンカになって解散したらそこまでのバンドだから気にしなくていい。

ちなみに良いメロディとは「アコギ+歌のみ」でも良く感じる曲ね。一度それだけで演奏してみて他人に聞かせてみるといいかもね。

よくわかる作曲の教科書 (ゼロからすぐに身につく本)
秋山 公良
ヤマハミュージックメディア
2009-12-23



この本は作曲の基礎を押さえるのに結構オススメです。



手っ取り早くかっこいい曲を作りたいならこれも効果抜群です。
オリジナリティなんて後から考えればいいと思います(ほんとに)。

楽器のフレーズがどっかで聞いたことあるものしか出てこない


近代ポップスを少し研究するとわかるけど、リスナーにとって耳馴染みの良いコード進行というのはかなりパターンが少ない。だから、売れてるバンドはみなオリジナリティを出すために「演奏を工夫」している

僕はギターしか弾けないのでそれで例えるけど、ギターの演奏には様々な要素がある。アルペジオ、普通のコード、パワーコード、カッティング、ミュート、フィードバック、チョーキング、タッピング、トレモロアーム、変則チューニングその他もろもろ。

できることは他にもたくさんあるんだけど、「よくあるコード進行」に「よくあるギターのフレーズ」を入れてどうするんだ?お前みたいな三流ギタリストがやらなくても他の人がみんなやってるぞ?なぜオリジナリティも必然性もないフレーズを弾こうとするのだろうか。お金を払って聴いてる観客の身になってみよう。




バンドリーダーが「あのバンドはなぜ売れたか?」を説明できない


君たちのバンドのリーダーは、アジカンやラッドウィンプスが「なぜティーンにバカ売れしてるのか」を説明できますか?サザンやB'z、ジャニーズやAKBを筆頭とするアイドルグループの音源はどんな曲調で、どんな人がどれくらい購入してるかざっくりでも言えますか?

バンドのリーダーがそれらを言えないようだともうダメ。ライブのチケットを一生友達にお願いして売りさばく生活が待ってます。

売れてるバンドが優れてるとかそういう意味ではない。バンド活動というのはマーケティングなのだ。カウントダウンTVやオリコンが「マーケット」である。

ランキングの上位勢を見ながら「どうして彼らは売れてるのか」を分析して、自分たちのバンドは「どうやって今の売れてるバンドと差別化していくか」をリーダーが提示して実践する。これができないならそのリーダーはクビでいい。

よくコンビニ市場をマーケティングの例にされることが多い。リーダーはコンビニ経営者みたいなものだ。仮にセブンイレブンがパンプオブチキン、ローソンがアジカン、ファミマがラッドとでもしようか。

リーダー、普通のコンビニ作ってセブン越えられると思う?ローソンがWeb広告にどれだけ予算割いてるか知っている?ファミマのTカード交えた多角戦略を知っている?

バンドをやるというのは、こういうある意味で「レガシー」なマーケットに参入するということだ。客が能動的に来たくなるお店作りを考えよう。

ちなみにリスナーとして聴いてもおれアジカンはかっこいいと思う。あとここ数年のジャニーズの曲は総じてクオリティ高い。特にTOKIOと関ジャニ∞ね。それからアイドル系だとSKE48の「パレオはエメラルド」。あれは完璧なポップソングだ。



まとめ


まあ簡単に言うと「歌がうまくて、メロディが良くて、他がやってない音」がカッコいいんですよ。ああああほんとに書き足りない!!

なんで突然こんなこと書いたのかというと、僕ができなかったからです。バンドやってるとき何もわかってなかった。歌で聴き手の心を揺さぶることもできず、売れ線バンドのことをバカにしていた。

だからダメだったんだよねー。当時こういうこと言ってくれる人がいてもたぶんわからなかったんだろうな。トップの写真はその売れなかった人達です。他の二人もそれぞれ楽しい人生を送ってる(はず)。

最近になってやっとわかってきた。年取ったからかな。




友達のライブとか今でもよく行くんですよ。すると対バンで、まさにここにあげたようなバンドがたくさん出てくる。正直金払ってこんな音楽聴かされるのはしんどいんです。本人達は大真面目に演奏してるもんだからなおさらしんどい。

なので頑張って欲しいと思ってる次第です。バンドマンがんばって売れてください。

※続編書きました。
じゃあどうすれば君のバンドはブレイクするのか?コメントの返信文を書きつつ色々整理してみた



元バンドマンがオススメする本

 

デーモン閣下 悪魔的歌唱論
リットーミュージック
2016-08-25






この2冊は日本の音楽シーンで活躍したいなら一読をオススメです!