I'm Swayin in the Air

起業4年目を迎えました

さよなら中野坂上。そして『くるりのこと』

こんな辺境のブログなのに定期的に読んでくれている人が実はいるらしくて驚くことも多いんだけど、つい先日の奇跡に関しては何が何でも言及したいと思ってひさびさに筆を取った。

とある関西地方に住む女性。このブログをなんと5年くらい前から読んでいたそう。で、彼女はつい最近東京のIT企業に転職をした。ある日会社のカフェテリアで仕事をしていてふと見ると、そこにはいつも読んでるブログの、いつもフジロック時期に間抜けな顔出しをしているアイツ(つまり僕)がいたらしい。そう、彼女の転職先は僕が今働いてる会社だったのだ。世の中には会社なんて星の数ほどあるのにそんな奇跡あるんだろうか。

先日社内の飲み会でそんな話を聞かされた。彼女は本当に僕のブログを読みまくっていて



「プリマベーラ行ってましたね!アメフト観に!」


「お一人様フジロックさん、会場で見たことあったんだけど声かけませんでした!」


「なんか格闘技やってるみたいですけど興味ないです。そんなことより音楽の話書いてください」


「最近更新頻度落ちてませんか?もっと書いてください!」





どんだけ詳しいんだよ。まあそんな同僚がいるっていうので笑ってしまったのだが、



「なんかシャレオツなアパートに引っ越してましたよね!」



おいおいそんなことまで書いてたのかおれよ。そういえば書いていた2年前。僕は中野坂上という新宿からほど近い丸ノ内線沿線の駅から徒歩8分くらいにある新築のアパートに引っ越していた。更新の時期がきて引き払う準備をしていて、ついさっき全てが終わった。


窓が変なサイズで既製品のカーテンは合わずニトリでサイジングして作ってもらったこのカーテンも当然破棄。引っ越し自体は慣れてるのでエモくなりようがないんだけど、変な部屋に合わせてカスタマイズしていったこれらは汎用性がない故に引っ越しと合わせて用済みになっていくのが少し寂しい。


中野坂上は楽しい街だった。世界一の乗降客数を誇る新宿駅と、音楽と芸術と酒の匂いが残るスノッブな街、高円寺との中間点にありながら閑静な街並みで僕はとても好みだった。家賃も鬼高いわけではないので、すべてがちょうどいい感じ。



中野坂上ラスト飯は「大竹餃子」の中華粥と餃子のセット。このセットは神々しい。そして読んでいる『くるりのこと』が面白すぎてやばい。僕は元スヌーザーの田中宗一郎氏や元ロッキングオン宇野維正氏の文章に90年代後半から触れていて、正直当時から




「何書いてるかわかんねえ」


「何を気取ってんだ」


「いいからマイナースレットとかフガジのこと書けよ」



と悪態をついていたんだけど今は本当に会って謝りたい気分(面識ないけど)。僕はくるりの「さよならストレンジャー」も「図鑑」も「NIKKI」も大好きだったし、スーパーカーやナンバーガールもリアルタイムで聴いていた。この本読まないとそんな当時のことなんてもう記憶の彼方に消えていくところだった。



当時はナンバーガールが解散するとは思ってなかったし、まさか2019年に復活するとも思ってなかった。いしわたり淳治くんがまさか売れっ子作詞家として毎週テレビに出るようなるなんて思わなかった。

そして、そんな浮き沈みなんてつゆ知らずくるりは飄々と今でも活動を続けていて偉いな、と素直に思う。もちろんこの本を読むと、もう「図鑑」の頃から岸田くんともっくんの間にヒビが入っていたことを知ることができる。驚きだなー。1999年フジロック、ホワイトステージそばに佐藤くんもっくんがいたのを見つけて一緒に写真を撮ってもらったんだよな。どこいったかなあの写真。

とにかくこういう当時のことを赤裸々に本として出版してくれる人には心から感謝しなければいけないと思う。いろいろ思い出した。




くるりの「街」を聴きながら僕は中野坂上生活を終えた。少しの間だけ町田に戻る。そして、来年頭くらいにはまた都内に戻ってくる予定だ。また丸ノ内線沿線に住むんじゃないかな。それくらい気に入ってる。


くるりのこと (新潮文庫)

くるりのこと (新潮文庫)