Last Days Of April announces European tour
そういえば昨日は4月30日。当たり前ですが4月最終日。
というわけでLast Days of Aprilの曲をだらだらと聴いてました。近年では叙情的なギターポップ的アプローチで人気を博してるスウェーデンのこのバンドが奏でる曲はある意味でとても日本人好みに仕上がってるのが改めて興味深いのである。久々に聴いちゃったぞ~。泣きそうになってきた。いろんなこと思い出して!
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僕が一番好きな曲。ここまで切なくて熱いメロディまさにスウェディッシュエモの絶頂点とも言えるだろう。元々LDOAは割とハード寄りのエモ的なアプローチをしていた。この曲が収録されている、2000年にリリースされた名盤「Angel Youth」はEMOの名レーベルDeepElmから出ているのが象徴的である。
ちなみに90年代後半から00年代初頭のエモ界は本当に面白い時期だった。mineralやSunny day real Estateに代表される「叙情派エモ勢」ともいうべきバンドが、過剰なまでにドラマチックな曲群をこぞってリリースしていた。その勢いは主に日本に伝播したのだが、熱はヨーロッパにも伝わっていたのである。その影響下にあったのが(影響下というよりは同一文脈かもしれないが)当時のLDOAだった。
日本でのLDOAの人気は実は相当早い。1998年の「rainmaker」が、日本では札幌のレーベルSTRAIGHT UPからリリースされている。このアルバムの前に(だったよね確か)彼らは、札幌が産んだ最強に”札幌らしいバンド”ともいえるバファリンズとのスプリットをリリースしており、日本のエモファンの人気を決定づけたと言っても良いだろう。一緒にツアーも回ったらしい。
そんなアルバムの中で、爽やかさと切なさ、そして初期EMOの泥臭さまでを含んだ珠玉の2曲がこちらなのである。リフの刻み方はさすがに時代を感じてしまうが伸びやかなVocalはこの頃から顕著であり聴いてて心地よく、またピアノの使い方などは2000年台に入ってから現れるピアノエモ(MAEなど)に強い影響を与えているのではないかと思われる。
「Angel Youth」でスウェディッシュエモの頂点を極めた彼らは、「Ascend to the Stars」で急激にパワーポップへのアプローチをし始めた。それはまるでギターで参加してるフレデリック・パーカーのバンド・スターマーケットと同じような変貌ぶりだった。スターマーケットの脱エモは正直意味不明の駄作だったと思ってるが、LDOAは「あー、元からこういう音出したかったのね」という納得の出来なのである。正直聴いててかったるくなる曲もあるけど、まあそれも味であろう。
しかしこの曲、最高にキュートでキラキラしたギターポップに仕上がってるのにMVが壮絶にダサくて意味がわからない。こういうコンセプトも不明でセンスのかけらもないMVを嫌いになれない性癖をどうにかしたい。
そして極めつけの必殺キラーチューンがこの「Who' on the Phone」と「Hanging High」の2曲。ポップ系にシフトしていき再び彼らはメロディメーカーとして頂点を極めた作品と言ってもいい。こんなにもグッドメロディが2曲も収録されるあたりちょっとヤバ過ぎる完成度だ。
つーわけで日本のフェスはなぜLDOAを呼ばないのかわからないんだけど、彼らには今後もずっとグッドメロディを書き続けていって欲しいと思うわけです。EMO勢ってアルバム1〜2枚で解散しちゃうのが常ですが、彼らはちゃんと成長し変貌していくことで傑作をリリースし続けるポップバンドになっていってるわけですね。FUJI ROCKのホワイトステージ夕方とか絶対似合うと思うんだけどな〜。今後に期待です。