僕の大切な友だち、ホセ・オチョア。
チリからきた陽気な彼とは、通っているトライフォースというブラジリアン柔術ジムで出会った。
以前はただのジムメイトだった記憶があるんだけど、ある時を境に急速に仲良くなった。
彼は仕事こそ充実していたがプライベートに問題を抱えており意気消沈していたので、そのまま酒を飲みにいき僕なりの解決方法を提示してみた。
頭の良いホセは僕の提案を見事に昇華し問題を解決させ、素晴らしい人生を送っている。
彼のクレバーな生き方が僕は大好きだ。
それから数年経ち、今度は僕が問題を抱えてしまったのだけど、彼はすぐに僕を飲みに連れ出してくれて、多くのアドバイスをくれたのだ。
もう彼には感謝しかない。
今度は僕が彼のアドバイスで復活する番だ。
そして僕とホセはトライフォース柔術ジムならではの制度である「テクニック検定」を受講した。
技の習熟度やスムーズネスをインストラクターが「検定」としてチェックし、合格点に達したら認定書をもらうことができるのだけど、ここまで本格的な検定をやってるのはおそらく日本ではトライフォースだけなのではないか。
ブラジリアン柔術は2人で行う組技格闘技なので、検定には必ず受け手が必要になる。
僕らはお互いの受け手をして、お互い合格することができた。
センスもなく、危うい動きもあったけどホセのおかげで僕は合格することができて感謝している。
そして、帯の昇格が発表された。
僕はついに紫帯に、ホセはブラジリアン柔術の最終到達地点である黒帯に昇格。
何が嬉しいって、ホセと一緒に昇格できること!
ブラジリアン柔術愛好家にとって、昇帯は確実に人生のハイライトの一つだ。
僕なんか青から紫になるまで8年かかってしまった。
そんなに長く続けるとは思わなかったよ。
本当に嬉しい。
ホセは近い将来、奥さんとともにアメリカに移住する予定だという。
僕たちは離れてもブラジリアン柔術を通じて知り合ったメイトだから、いつかまた一緒にROLLする日がくるだろう。
コロナが落ち着けば、アメリカで開催されるワールドマスターに出ても良いし、ホセとともにヨーロッパの大会に行ってもいいのさ。
いつでも僕たちは会える。
ブラジリアン柔術の長い旅はこれからも続く。